追悼、三浦隆一さん(空想委員会ボーカル兼ギタリスト)
朝のネットニュースでの衝撃。
一時期よく聴いていたロックバンド「空想委員会」のボーカル兼ギタリストの三浦隆一さんが大腸癌でお亡くなりになられたという。
まだ41歳。
本人の無念、残された家族の悲痛はいかばかりか。
私自身はそれほど熱烈なファンであったわけではなかったが、新曲を見つけたら必ず聴いてみるくらいには好きなバンドの一つだった。少し鬱屈した独特な世界観、言葉選びのセンスが光っていた。世代的にも近いし、どこか共感できる感性の持ち主だと感じていたのかもしれない。何年か前には結婚したというニュースを見て、不幸せを原動力にした歌を書いていたのに幸せになって大丈夫かと思いつつ、どこか暖かい気持ちになったのを思い出す。
まだまだたくさんの名曲を世に送り出して欲しかったが、まさかそんなことになっていたとは・・・
ただただ冥福を祈りたい。
20代の頃は40代はオッサンだと感じていたが、いざ自分が40代になってみると内面的にはそんなに変わったようには感じない。けれど昔より深夜まで起きるのがつらかったり、腰が痛くなったり、体は年をとったと感じることが増えた。さらに自分より若い人間が癌で亡くなるのを見ると、40代はもう若くないのだと思い知らされる。きっとこれからこんなことが増えていくのだろう。
しかし41歳は若すぎる。詳しい病状を知る立場にないので医者の立場からの病状に関するコメントは控えようと思うが、それでも早すぎる。
もし自分の外来に三浦さんが来ていたとして、早期に診断できただろうか。これまで患者さんには40歳になったら大腸カメラを受けた方が良いとお勧めしてきたが、もう少し早めた方がいいのだろうか・・・
こういったニュースを見るとつい自分の診療を振り返ってしまうのだが、何らかの症状がある人には、30代でももうすこし強めに内視鏡検査を勧めることにした方がいいのかもしれない。
空想委員会の曲を聴きながら、大腸癌で亡くなる人を一人でも減らせるように、自分に出来ることを改めて考えようと思う。