一般的に胆石は胆嚢の中に出来ます。胆嚢中で浮いているだけであれば無症状のことが多く、症状のない胆嚢結石は治療対象になりません。しかしこの結石が胆管の中に落ち込んでくると、胆管結石と呼ばれるようになり、こちらは急いで治療する必要があります。というのも、胆管結石は胆管の出口付近の狭い場所でつまり、胆汁の流れをせき止めてしまうことがあります。すると胆汁が胆管の中に溜まってしまうので、胆管は急速に引き延ばされて激痛が生じます。強い痛みは吐き気を伴うことも多く、胆管がつまった瞬間に1,2回の嘔吐が見られることもあります。胆汁が肝臓まであふれてくると肝障害を引き起こし、さらに血液中にまで胆汁があふれてくると黄疸を生じます(胆汁が黄色いため、皮膚や粘膜・尿まで黄色くなります)。さらにさらに、流れが悪くなった胆管に感染が生じると、急性閉塞性化膿性胆管炎と呼ばれる重篤な感染症を合併することもあります。