月: 2024年6月

「ここまでわかる!胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー」シリーズ 第10回 胃潰瘍 内視鏡検査

「ここまでわかる!胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー」シリーズ 第10回 胃潰瘍

もともと胃は消化液によって酸性になったり、体外から色々なものが取り込まれたりする場所であるため、傷つきやすい臓器です。内視鏡検査をしていると、無症状でも胃の中に小さな傷が出来ている人はたくさん見かけます。そのような傷のうち、表層部の粘膜だけが傷付いているものは「びらん」と呼ばれます。びらんが深くなり、粘膜の下の層まで及んでいるものを「潰瘍」と呼びます。
「ここまでわかる!胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー」シリーズ 第9回 大腸ポリープ癌 内視鏡検査

「ここまでわかる!胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー」シリーズ 第9回 大腸ポリープ癌

一般的には大腸ポリープは「良性」の病変です。しかし大腸癌のほとんどは大腸ポリープから発生しますので、大きなポリープはその一部がすでに癌になっていることがあります。写真Aで示した大腸ポリープは最大径15mmほどでしたが、一部がすでに癌に変化していました。幸いにして癌自体は粘膜表層に留まっており、内視鏡治療により治癒しています。
「ここまでわかる!胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー」シリーズ 第8回 胆管結石 腹部エコー検査

「ここまでわかる!胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー」シリーズ 第8回 胆管結石

一般的に胆石は胆嚢の中に出来ます。胆嚢中で浮いているだけであれば無症状のことが多く、症状のない胆嚢結石は治療対象になりません。しかしこの結石が胆管の中に落ち込んでくると、胆管結石と呼ばれるようになり、こちらは急いで治療する必要があります。というのも、胆管結石は胆管の出口付近の狭い場所でつまり、胆汁の流れをせき止めてしまうことがあります。すると胆汁が胆管の中に溜まってしまうので、胆管は急速に引き延ばされて激痛が生じます。強い痛みは吐き気を伴うことも多く、胆管がつまった瞬間に1,2回の嘔吐が見られることもあります。胆汁が肝臓まであふれてくると肝障害を引き起こし、さらに血液中にまで胆汁があふれてくると黄疸を生じます(胆汁が黄色いため、皮膚や粘膜・尿まで黄色くなります)。さらにさらに、流れが悪くなった胆管に感染が生じると、急性閉塞性化膿性胆管炎と呼ばれる重篤な感染症を合併することもあります。