「ここまでわかる!胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー」シリーズ 第9回 大腸ポリープ癌

注意事項1:本シリーズで取り上げる画像は全て当院で撮影したものです。検査画像の利用については、内視鏡検査前のアンケートで利用の可否を確認しています(腹部エコー検査に関してはオプトアウト方式をとっています)。

注意事項2:患者様の善意によって成り立つ投稿です。本シリーズは疾患の啓発や若手医師の研鑽に役立つことを目的としています。画像の無断利用、転載は固くお断りします。削除依頼に応じて頂けない場合は法的手段を取ります。

画像解説

一般的には大腸ポリープは「良性」の病変です。しかし大腸癌のほとんどは大腸ポリープから発生しますので、大きなポリープはその一部がすでに癌になっていることがあります。

写真Aで示した大腸ポリープは最大径15mmほどでしたが、一部がすでに癌に変化していました。幸いにして癌自体は粘膜表層に留まっており、内視鏡治療により治癒しています。

写真Bはポリープの根本を示したもので、正常粘膜から生えた「茎」の先にポリープが付いていることが分かります。このような茎の中には太い血管が走っていることがあり、茎を切った際にはかなりの勢いで出血することもあります。出血をすると視野が悪くなり処置難度が上がりますので、茎を切る前に前もって茎の根元側を縛っておき(ロングクリップや留置スネアなどを茎の太さに合わせて使い分けます)、結紮部分の上(病変側)で茎を切ると安全です。