「ここまでわかる!胃カメラ・大腸カメラ・腹部エコー」シリーズ 第4回 アニサキス(胃カメラ)

注意事項1:本シリーズで取り上げる画像は全て当院で撮影したものです。検査画像の利用については、内視鏡検査前のアンケートで利用の可否を確認しています(腹部エコー検査に関してはオプトアウト方式をとっています)。

注意事項2:患者様の善意によって成り立つ投稿です。本シリーズは疾患の啓発や若手医師の研鑽に役立つことを目的としています。画像の無断利用、転載は固くお断りします。削除依頼に応じて頂けない場合は法的手段を取ります。

画像の解説

胃アニサキス
アニサキス摘出時

アニサキスは魚を宿主とする寄生虫です。

人がアニサキスを食べた場合、アニサキスは胃や小腸に噛み付きますが、食い破って人の体内に入り込むことは出来ません。結果的に人の体内では通常数日以内に死滅しますが、強い腹痛の原因となります。

左(または上)の写真にはアニサキスが4匹います。右側の細い矢印のところに1匹、左側の太い矢印のところに3匹いるのがわかります。このようにアニサキスは1匹だけとは限らず、複数匹のアニサキスがいることも多々あります。

右(または下)の写真はアニサキスを摘出しているところです。摘出の際は「生検鉗子」という器具を用います。よく似た器具に「把持鉗子」というものがありますが、これではアニサキスを上手く掴めないため注意が必要です。

アニサキスの虫体は細いので、経鼻内視鏡でも摘出することが可能です。

当院でも開院からすでに20匹以上のアニサキスを摘出しています。