「ここまでわかる!胃カメラ・大腸カメラ・腹部エコー」シリーズ 第2回 腎臓癌(腹部エコー)

注意事項1:本シリーズで取り上げる画像は全て当院で撮影したものです。検査画像の利用については、内視鏡検査前のアンケートで利用の可否を確認しています(腹部エコー検査に関してはオプトアウト方式をとっています)。

注意事項2:患者様の善意によって成り立つ投稿です。本シリーズは疾患の啓発や若手医師の研鑽に役立つことを目的としています。画像の無断利用、転載は固くお断りします。転載を見つけた場合、必要に応じて法的手段を取ります。

画像解説

腎臓癌
腎臓癌

2枚のの画像は同じ臓器、「腎臓」を写しています。

左(または上)の写真の中央からやや左側、ラグビーボールのような形の中心が白っぽく辺縁側が黒い臓器が腎臓です。

写真の中央に腎臓から飛び出るような円形の出来物が写っていることが分かりますか?右側(または下側)の写真では大きさを測るために水色の線が引かれており、より分かりやすくなっていると思います。

この出来物の大きさは3cmほどでした。

腎臓癌の早期発見のために出来ること

この写真の患者さんは腎臓とは全く関連しない腸の病気で来られた方でしたが、腹部エコー検査で偶然に腎臓癌が見つかりました。

多くの癌がそうであるように、腎臓癌も初期には全く症状がないことが大半です。かなり大きくなると「血尿」「背部痛・腰痛」などの症状が現れますが、その時点ではそれなりに進行していることも多く、症状が出る前に見つけることが重要です。

近年は腹部エコー検査やCT検査などの画像検査の進歩もあり、健康診断の際などに偶然腎臓癌が見つかることが増えています。

当院でも腹部エコー検査を実施する際には、必ず腎臓を含めた腹部全体を見るようにしています。

癌の早期発見のために、年1回程度は腹部エコー検査を受けることをお勧めします。