大腸カメラ当日に飲む下剤の作り方
大腸カメラを受ける際には、便を洗い流すため大量の下剤を飲む必要があります。
しかしこの下剤を飲むのが苦手という方も多いようです。
当院では比較的飲みやすいとされる2種類の下剤を用意しており、患者様の状態や希望に応じて使い分けています。
これらの下剤はご自身で粉から溶かして作って頂く必要があります。
それほど難しくはありませんが、初めての場合は戸惑われこともあるかと思いますので、作り方を動画にまとめました。是非参考にして下さい。
マグコロールPの場合
スポーツドリンクに近い味で、当院職員による下剤の飲み比べ会で飲みやすいと好評でした。
作り方と飲み方は簡単ですが、量が1800mlと多く、飲んでいる間に飽きやすいことが唯一の欠点です。
ピコプレップの場合
柑橘系の味で、こちらも当院職員による下剤の飲み比べ会で飲みやすいと好評でした。
一回あたりの下剤の量は150mlで済むため、下剤が苦手な方には大変好評です。
ただし飲み方が少し複雑です。
ピコプレップは「検査前日の夜」と「検査当日の朝」に合計2回飲んでもらう必要があります。
さらに下剤と一緒にお茶などの水分をしっかりと飲んでもらう必要もあります。
複雑な手順が苦手、という方はこちらではなくマグコロールPをお選びください。
その他の注意点として、下剤としての効果が少し弱いため便秘の方にはお勧め出来ません。
大腸カメラの有用性
大腸カメラは、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内部に異変が生じていないかを調べる検査です。大腸粘膜の形態や色調のみならず、粘膜表層の血管まで観察することが出来るため、高い精度で病気を見つけることが出来ます。特に大腸癌やその前段階である大腸ポリープ(腺腫)の診断治療に威力を発揮します。大腸癌に罹患する確率は40歳を超えるころから徐々に高まっていき、特に60歳を超えるころにはさらに高率になります。実は私も40歳で大腸カメラを受け、ポリープを一つ切除しています。40歳を越えたなら、一度は大腸カメラを受けられることをお勧めします。
大腸カメラで発見できる主な病気
当院の大腸カメラの特徴
1.鎮静剤を用いた「眠ったまま受けられる大腸カメラ」を実施しています。
ご希望の方には鎮静剤を用いて「眠ったまま受けられる大腸カメラ」を実施しています。鎮静剤を用いた内視鏡検査は「楽だった」との感想をよく頂きますので、当院としても積極的に実施しています。しかし一方で、稀ではあるものの鎮静剤が効きすぎると呼吸が抑制されたり、血圧が過度に下がったりすることがあります。さらに薬の効果が残っていると当日は判断力が低下したり、健忘症状が生じたり、転倒しやすくなったりします。このため当日車を運転される方、大事な商談のある方、足腰が弱っている方、少しでも安全に検査を受けたい方などには鎮静剤の使用をお勧めしていません。また、お酒を普段からよく飲む方やお酒を飲んでも酔いにくい方では、鎮静剤が効きにくいことがあります。以上のリスクを十分にご理解いただいたうえで、鎮静剤を使用するかご判断ください。
2.WEBから予約が可能です
ホームページからオンライン予約が可能です。腹部症状があり大腸カメラを希望される方、医師から定期的な大腸カメラを指示されている方はお気軽にご予約ください。ただし次項でも述べているように、検査前に一度来院して診察を受けて頂く必要があります。検査予約とセットで診察の予約もとって頂くようお願いします。
何歳まで大腸カメラを受けたらいいの?
日本では年々高齢化が進んでおり、80歳代、90歳代の患者さんを外来で見ることも稀ではなくなってきました。そんな中でよく受けるのが「これまで定期的に大腸カメラを受けてきたのだけれども、いったい何歳までこれを続けたらいいのか?」という質問です。これは医学的、倫理的に非常に難しい問題なのですが、当院のスタンスをお答えしたいと思います。
まず70歳以降の方の「元気さ」は一概に年齢のみでは決まりません。若いころからの生活習慣やこれまでの病歴により、70歳で寝たきりに近い状態になる人もいれば、90歳でもひとりで買い物に行ける人もいます。よって年齢を基準にすることには無理があります。
一つの基準は、もし内視鏡検査をして病気が見つかった際に手術などの治療を受けられる体力があるかどうか、あるいは手術などの積極的な治療を希望しておられるか、という点です。もし治療を受けられない、あるいは受けるつもりがないのであれば、積極的に検査を実施する意味は乏しくなると言えるでしょう。実際には一人で歩けるかどうか、身の回りのことを自分でできるかどうか、心臓や肺に重大な病気がないか、ということを基準に大腸カメラを続けるかどうか相談させてもらっています。
大腸カメラを受ける際の注意点
検査前予診
- 安全に大腸検査をできるか確認するため、大腸検査の2日前までに受診して頂く必要があります。腹部レントゲンや腹部エコーで安全性を評価するとともに、大腸検査の流れを説明します。
- 食事に関する注意点をまとめた説明書きをお渡しします。ご自身で食事の用意をすることが難しければ、検査前食を販売していますので受付でお尋ねください。
- 内服薬も確認させて頂きますので、必ず飲んでいる薬が分かるものを持参して下さい。
- 検査前日
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- 1日を通して、食物繊維・脂肪分の少ない消化の良い食事をしてください。
- 寝る前に下剤(錠剤)を内服してください。
- 検査当日
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- 検査が終わるまでは食事は禁止です。
- 薬は飲んで頂いて構いません。
- 下剤は独特な味がします。比較的飲みやすい下剤を選んでいますが、こればかりは頑張って頂くしかありません。
- 検査後は自動車やバイク、自転車を運転することが出来ません。
大腸カメラ検査の流れ
下剤を飲みます
大腸をきれいにするため、前日の夜に錠剤を3錠、当日の朝に約1~2リットルの液体の下剤をのみます(下剤の種類により飲み方が異なります)。
鎮静剤を投与(静脈注射)することもあります
ご希望の方には鎮痛剤を静脈注射します。外科手術に一般的に用いられる麻酔のように強力なものではなく、医師などからの呼びかけに反応することも出来ます。
肛門から内視鏡を挿入します
まず身体を左側を下にしてベッドに横になります。その態勢で肛門から内視鏡を挿入していきます。
大腸の内部を観察します
内視鏡カメラの映像はモニターに映し出されます。担当医は、この映像を見ながら大腸の内部を隅々まで観察します。必要がある場合は、生検(大腸の粘膜からごく小さな組織片を摘まみだすこと)を行います。1cm未満の小さなポリープであれば、その場で切除することもできます。
数十分で検査は終了します
通常は数十分で検査は終了します(症例によって時間が延びることもあります)。
検査後
- 通常、飲食は1時間後から可能です。
- 検査当日も入浴は出来ますが、長風呂は避けて下さい。
- 車の運転は禁止です。
- 強度の運動は避けてください。
- 生検、ポリープ切除を受けた方は、飲酒についても禁止事項があります。検査後に渡された注意書きの内容を守って下さい。
- 検査終了後、気になる症状がある方は、すぐに医師までご相談ください。
- 院長
- 木村 佳人
- 診療内容
- 内科、内視鏡内科、消化器内科
- 住所
- 〒663-8107
兵庫県西宮市瓦林町1-21
KBクリニックビル1F - アクセス
- 西宮北口駅から徒歩15分、甲子園口駅から徒歩13分、瓦木支所前(阪急バス)下車すぐ