消化器内科とは
当院では専門領域に関わらず、広く内科疾患の患者さんを受け入れています。しかしその中で私の得意とする分野を一つ挙げるとすると「消化器内科」になります。
消化器内科の特徴は2つあります。
特徴の第一は扱う臓器の数が非常に多いという点です。例えば呼吸器内科は肺だけ、腎臓内科は腎臓だけを診ています。一方、消化器内科は食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、胆管、膵臓と実に9個もの臓器を診ています。あまりに多いため最近では消化器内科を消化管内科、肝臓内科、胆膵内科の3つ(あるいは肝臓内科と胆膵内科を1つにして2つ)に分けている病院もあるほどです。この臓器数の多さのメリットは、扱う臓器が頭頚部・胸部・腹部にまたがっているため自然と全身を診られるようになる点です。デメリットはとにかく忙しい点で、一つの科で内臓のほぼ半分近くをカバーしているので病院勤めの(まじめな)若手消化器内科医はなかなか家に帰れません。今思い返すと本当によくあんなブラックな働き方をしていたと思います・・・。
特徴の第二は内視鏡で直接臓器を観察できる点です。一般的に内科医は血液検査や放射線検査などから、各臓器で何が起こっているかを類推することを仕事にしています。地味なのでなかなかドラマには取り上げてもらえませんが、わずかな手がかりから犯人を捜す探偵のような仕事です。しかし消化器内科には内視鏡という優れたツールがあるため、臓器を直接見ることができます(肝臓や膵臓を除く)。その威力を推理小説に例えるなら、名探偵が登場しなくても1ページ目の1行目から犯人を特定できていしまうくらい強力なツールが内視鏡です。さらに内視鏡は診断に役立つだけではなく、ポリープや早期癌を切除するなど治療にも役に立ちます。特に早期癌に限れば診断から治療、治療後の経過観察までを一貫してできる点が内視鏡を扱う消化器内科医の強みであると私は思っています。このため、消化器内科医は癌のスペシャリストでもあります。
以上のように
①全身の多くの病気に一定の知識を有しながら、②お腹のあらゆる病気に精通し、③胃カメラや大腸カメラといった内視鏡検査を得意とし、④癌の診断治療にも豊富な経験を有している医者が消化器内科医です。
こうして書くとかかりつけ医にぴったりな気がしますが、実際に消化器内科出身の開業医はとても多いのです。お近くの内科医を調べてもらうと必ず一人は消化器内科医がいると思います。
このような症状の方はご相談ください
- お腹の調子がよくない
- 胃の痛みが続いている
- 胃の痛みが強くなったり、治まったりを繰り返す
- 胃がもたれる
- 吐き気をもよおす
- 胸やけがする
- 食後に背中が痛くなる
- 便秘がち
- よく下痢を繰り返す
- 血便が出た
- 身体の皮膚や粘膜が黄色くなった
- 食欲がない
- 体重が急激に減少した
- 顔色が悪いと言われる
消化器内科で扱う主な疾患
- 逆流性食道炎
- カンジダ性食道炎
- 食道がん
- 食道粘膜下腫瘍
- 好酸球性食道炎
- 食道静脈瘤
- 急性・慢性胃炎
- 萎縮性胃炎(ピロリ菌感染胃炎)
- 胃・十二指腸潰瘍
- 胃がん
- 胃粘膜化腫瘍
- 十二指腸炎
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 虚血性大腸炎
- 大腸憩室出血
- 急性出血性直腸潰瘍
- 急性胃腸炎
- 機能性消化管障害
- 便秘症 過敏性腸症候群(IBS)
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 黄疸
- ウイルス性肝炎
- 自己免疫性肝炎
- アルコール性肝障害
- 肝臓がん
- 急性胆嚢炎
- 胆石症
- 胆嚢ポリープ
- 胆嚢腺筋腫症
- 胆嚢がん
- 急性膵炎
- 慢性膵炎
- 膵管内乳頭粘液性腫瘍
- 膵臓がん など
- 院長
- 木村 佳人
- 診療内容
- 内科、内視鏡内科、消化器内科
- 住所
- 〒663-8107
兵庫県西宮市瓦林町1-21
KBクリニックビル1F - アクセス
- 西宮北口駅から徒歩15分、甲子園口駅から徒歩13分、瓦木支所前(阪急バス)下車すぐ